NHKで見たWebサイトコンテンツフィルターに関して
2006年12月11日土曜日に仕事の後、食事中にTVをつけると「Webサイトコンテンツフィルター」についての議論っぽい番組がされてました。
そこで思った感想をダラx2と。
ここ数年で、Webを通じての犯罪や事件が増えてるようですね。
確かに、そういう経緯からWebは危険!って考えるのも分からなくはないです。
でも、もともとそれがWebですし、大人が子供のWeb利用を制限する・・・・なんて考え方はあまり賛同できません。
食事中のほんの数分しか見てないんですが、話の感じでは以下のようなものでした。
・犯罪や性的なコンテンツを未成年などに見せたくない
・道徳的に不適切なコンテンツも制限したい
とまぁ、PTAが言いそうなことですね。
そこで、ちょっと自分の意見を無くして、実際にできるのかどうかを考えてみました。
本当にコンテンツへのアクセス(閲覧)制限ができるのかどうか。
■URL単位で「OK」「NG」をDNSサーバーっぽいものへ設定してみる
各ドメイン、またはサブドメイン毎にこれをやってみると仮定。全部で何個(単位すら分かりませんが・・)のURLがあるのか分からないので、これは無理。
■ドメイン自体に「信頼度」を表す属性を付加してみる
例えば、汎用ドメインである[ .jp ]や[ .com ]などの比較的個人でも取得しやすいドメインはNGとすると・・・。[ ne.jp ]や[ gr.jp ]、[ co.jp ]などを信頼出来る・・・と仮定。
実際は、企業でも[ .jp ]や[ .com ]を使っています。また、ドメインの売買も可能なので個人や団体が[ co.jp ]を入手することも可能。よって・・・・これも却下。
■では、ブラウザ側にコンテンツを判断させてみる
例えば、「セックス」や「SEX」が含まれるページを表示しないようにしてみる。
そうすると、「せっくす」や「セ○クス」は見れてしまうんですよね^^;;
他にも、「セックスピストルズ」「セックスマシンガンズ」といった他の制限しなくてもよさそうなコンテンツまで制限される弊害が生まれます。
さらに、文字や制限したとして全ページを画像だけで構成されるとどうなんでしょう?また、全ページをFlashだけで構成されるとどうでしょう?
あまり賢いやり方ではないようです・・・
■文字は諦めて、卑猥な画像や動画へアクセスできないようにしてみる
・・・・・。どうやるんでしょう???w
画像に何が写っているか、動画に何が映っているかなんて分かりませんし。プログラム側で制御するのは不可能そうです。
というわけで、これも論外。
■機械に頼らず、人海戦術で「このコンテンツは未成年でもOK」と投票できるような作りにしてみよう!
各URLを開いた時に「未成年でもこのコンテンツは大丈夫」ボタンを押すと、集計されて「大丈夫そう!」と判断するようなシステム化をした場合。。。。。
確かに、これまでの考え方よりはいいかもしれませんけど、逆に・・・・「悪意」を持って利用されてしまう可能性もあります。
実際、やれそうなところで考えているのでもう少しいろいろアイデアはあるんですけど、どれも不確実で、現実にコンテンツをブロックすることなんて不可能な気がします。
中国史が好きで・・・・ってわけでも無いんですけど、孔子だか孟子の言葉に次のような言葉があります。
人間は、法によって治めようとすると、その法の抜け道を探して悪事を働く。
一方、徳を持って治めようとすると、善意が生まれて悪事を働かなくなる。
・・・と。
昔から、「法」を強めようとすれば必ずそれに反して「その法の穴」をかいくぐった犯罪が生まれたはず。
「力」で抑えようとするから、反発する力が生まれる。
結局、取り締まろうとしても無駄・・・ってことなんでしょうね。
スピード違反を取り締まる為に「オービス(監視カメラ)」を設置したところで、制限速度を守るのはそこだけ。そのオービスを過ぎればまた、みんな飛ばします。
結果論だけを見て、「スピード違反が減った!」「暴走族が減った!」なんていう警察がいますけど、実際は全然違いますし。人からの評価を気にしてるだけなんでしょうけど。
そういう意味では、「性悪説」を唱えた荀子(だったっけ?)は、正解だったんでしょうね。
個人的には、Webの怖さを肌身で知って、失敗して、高額請求されて・・・・そういう経験をした方がいいのでは?と思います。特に、携帯電話からインターネットを始めた世代にとっては、それこそ「便利」という感覚しか無いんでしょうけど、昔からWebに少なからず関わってる者にとっては、何でも自分の判断でやらなければいけないっていうのが大前提のWebですし、全てを知ることも出来ないのがWebだと思います。
世界中にどれだけのウィルスがあって、どれだけのフィッシング詐欺の方法があって、どれだけの個人情報が裏で売買されていて、どれだけの悪意のあるプログラムがあるのか・・・。
実際にWebに関わっていても未知数ですし、毎日新しいものが飛躍的なスピードで出来ているはずですし。
取り締まりは「後手に回る」というのがセオリーな以上、「飛躍的なスピードで進化するWeb」と「匿名性が高いWeb」をどう取り締まるつもりなのか、サイバー系の防犯担当者がどう対処するかが・・・見ものです。
ただ、こういった取り締まりも結局は「機械」または「プログラム」がやって行くんだと思います。その時に絶対に作業に関わるのがプログラマー。果たして、その人たちが「取り締まれる!」と考えるかどうかが見ものです。
あの場所に、「プログラマー」や「サーバー管理者」、「ハッカー」の誰かがいると、実際のWeb業界の実情が放送されてたのになぁ~と思いましたが。
敢えて、1つだけ対策を挙げるとしたら。。。。。
GoogleやYahooに変わる「検索エンジン」を立ち上げるしかないと思います。
しかも、ロボットではなく「人海戦術」での検索エンジン。結局、コンテンツの内容を判断出来ない以上、どうしても「穴」がありますから。
仮に、形態素解析を用いて「特定のキーワード」を含むとNGだ!と処理させても、教科書の内容(文章)のコンテンツのページに「エロ画像」を挿絵として出す」やり方も可能ですから。
今後、どういう議論をされて行くかは興味ありませんが、どう実装されて行くのかは興味津々です。
80%程度までのフィルターなら、私でも可能だと思いますが、これまでに書いたように「穴」がありますから、そこを悪用されて、結局は意味の無いものになると思います。
出来れば、そういう制限は考えず「ユーザーの判断に任せる」やり方を押し通して行くか、誰もが入り口として利用する「検索エンジン」側での対応をした方がいい様な気がします。
何なら・・・・作っちゃおうかな・・・・ってくらいに今後の「お金」になる事業かもしれませんね。
どの検索エンジンでも「無料 動画」や「セックス」とかが検索キーワードの上位みたいですし、そういったユーザーがそれを必要としてるのも事実だと思うんですが。。。。。